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Office for evolution
株式会社Razest
スマホ向けソーシャルゲームの開発で急成長している株式会社Razestが
さらなる増員と事業拡大を見据えて本社を移転した。
コンセプトは「進化のためのオフィス」。
ほとんどの社員が20代、30代という若さと勢いにあふれる同社らしい
遊び心にあふれた、表情豊かなオフィス空間となっている。
株式会社Razestは、大阪を拠点とするスマホ向けソーシャルゲームの企画・開発・運営会社として、創立当初からオリジナルゲームや新しい企画を次々と打ち出し、急成長してきた。そして、2015年9月、社員数の増加や今後の発展のために約5倍の広さとなるオフィスへ移転。これまでに築いてきた企業風土を大切にしつつ、より飛躍するためのオフィスが完成した。
移転にあたってRazestが求めたのは、既存の作品イメージに縛られず、さらに幅広く仕事をするためのオフィス。現在はデザイナーを中心とした少数精鋭の企業だが、会社も社員もより成長できるような場にしたいという思いがあった。
そこで、三井デザインテックは「進化のためのオフィス」をコンセプトに掲げた。デザインを担当した横川氏によると、デザインのポイントは大きく2点。「クリエイティブな会社の場合、一般的にはクリエイターがいかに心地よく過ごせるかを考えますが、今回のプロジェクトでは社外へのアピールも重視しました。会社の成長にあたって新入社員を採用していくことになりますが、その際に、オフィス自体がアピール材料になるようにするためです。同時に、社員数が増えることでスタッフの一体感が薄れてしまわないよう、社風でもある社員同士の繋がりを大切にできるようにしました。社員のほとんどが20代、30代というフレッシュな会社だけに、工事途中のような部分をわざと設けて、『これから頑張ってつくっていこう』という雰囲気にしました」と言う。
そうして生まれたのが、エレベーターホールと受付を結ぶ長い廊下のミュージアム、ボードゲームを楽しむためのこたつスペースといった特徴的な空間だ。そして、これらのスペースにはRazest社員の意見も盛り込まれているという。「今回の移転プロジェクトではワークショップを3回開催し、社員の方々と意見交換をしました。会社の将来を踏まえ、『どのようなオフィスを望むのか』『オフィスに必要なものはなにか』を出してもらい、そのアイデアも盛り込んでいます。それと、社員全員で現場見学会に参加していただきました。それらを通して、一緒につくっていると感じられたのが嬉しかったですね」と、営業担当の河村氏は言う。横川氏も同じように感じていたようで、「クライアントとの距離が近かったのが一番よかったです。社長直々に想いを伝えてくださるので分かりやすかったですし、その熱意に応えるためにも倍にして返さなければと思っていました。そのやり取り自体が楽しく、有意義でした」と話してくれた。
さらに施工現場においても一体感があったようだ。施工を担当した菅氏は「限られた時間、高層ビル内の制限が多い室内でしたので難しい面もありましたが、設計はもとより、現場で作業する全業者さんが協力してくださったので、満足できる内装に仕上がったと思います」と振り返る。
こうして完成したオフィスは、第29回日経ニューオフィス賞にて近畿ニューオフィス奨励賞を受賞。よい空間をつくり上げた満足感に、驚きと喜びが加わる結果となった。